精神障害者保健福祉手帳は、精神障害を抱える方が社会で生活する上でのサポートを受けやすくするためのツールです。
どのような人が精神障害者保健福祉手帳取得の対象者になる?
精神疾患を診断された方
精神科の医師から診断を受けており、以下のような精神疾患があると診断されている方が対象です。
- 統合失調症
- 双極性障害(躁うつ病)
- うつ病などの気分障害
- 発達障害(自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)など)
- 知的障害(重度の場合は身体障害者手帳が該当する場合も)
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)などのストレス関連障害
- アルコール依存症、薬物依存症、摂食障害など
近年の若い女性に特に多い摂食障害などもADHDなどの発達障害が起因している場合が多く、手帳取得の対象者とされる事が多く見られます。
日常生活や社会生活に制約がある方
診断を受けた精神疾患が原因で、就労や学業、日常生活に困難が生じている場合が対象となります。
例えば、次のようなケースです。
- 病気や障害の影響で仕事を長時間続けるのが難しい。
- 社会的なつながりを保つことに課題がある。
- 生活に必要な活動が自力では難しく、支援が必要である。(定期的な薬の服用など)
一定期間以上の治療や経過観察を受けている方
精神障害者保健福祉手帳を取得するには、診断だけでなく、一定期間の治療や経過観察が必要です。
具体的には、原則として6カ月以上の通院歴が求められることが多いです。
精神障害者保健福祉手帳取得のメリット、デメリット
この手帳を取得することは生活にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
本記事では、精神障害者保健福祉手帳の取得に伴うメリットとデメリットを挙げ、その具体的な内容を解説します。
精神障害者保健福祉手帳の主なメリット
就労移行支援事業所の活用
精神障害者保健福祉手帳を取得する最大のメリットの一つは、「就労移行支援事業所」を活用できることです。これらの事業所は、障害者雇用に向けたスキルや知識を身につけるための場を提供します。具体的には、ビジネスマナーやパソコン操作、履歴書の書き方といった就労準備のトレーニングが受けられるほか、企業実習や就職先の紹介なども行っています。
また、事業所によってはメンタルケアや生活面でのサポートも充実しており、働き続けるための基盤作りを手厚く支援します。精神障害を持つ方にとっては、就労を目指す上で大きな助けとなるでしょう。
経済的支援や優遇措置
精神障害者保健福祉手帳を持つことで、さまざまな経済的支援や優遇措置を受けることができます。たとえば、公共交通機関の割引や税金の軽減、医療費の助成といった制度があり、生活の負担を軽減することができます。具体的な内容は自治体によって異なりますが、これらの支援は特に収入が安定しない状況の方にとって重要なサポートとなります。
障害者雇用枠での就職機会拡大
手帳の取得により、障害者雇用枠を活用して働くことが可能になります。一般枠での就職が難しい場合でも、障害者雇用枠を活用することで、適切な配慮を受けながら働ける環境を見つけやすくなります。たとえば、労働時間の調整や特別な支援が必要な場合、企業がそのニーズに応える準備をしていることが多いです。この制度は、精神障害を持つ方が無理なく社会参加できる大きな後押しとなります。
精神障害者保健福祉手帳の主なデメリット
社会的な偏見?のリスク
精神障害者保健福祉手帳を持つことは、残念ながら一部の場面で偏見を受けるリスクを伴います。特に、職場や周囲の人々に手帳を提示する必要がある場合、理解不足や誤解から不利な扱いを受ける可能性があります。
そのため、手帳を使用する場面では注意が必要であり、必要最低限の情報開示に留めることが大切です。
ただ、こうした偏見のない精神障害に理解のある環境に身を置きさえすれば、デメリットというほどのモノでもありませんね。
職場にも申告や手帳を提示しない限りバレる(『バレる』という表現が正しいかはわかりませんが)事はありません。年末調整で障害者控除を受ける場合、手帳を職場に提示する必要があるのでバレる事になりますが、それに抵抗があるならば確定申告で障害者控除を受ければ良いだけの話です。
メリットとデメリットを踏まえて
精神障害者保健福祉手帳は、生活や就労を支援するための便利なツールである一方、社会的な偏見といったデメリットも存在します(と言ってもほとんどないに等しいですが…)。自分の状況に合わせて判断することが大切です。
特に、就労を目指す場合には、就労移行支援事業所の活用が大きなメリットとなります。
これらの事業所では、手帳を持つことで受けられる支援が多岐にわたるため、スムーズに職場復帰や新しいキャリアを築くことが期待できます。
また、経済的な負担を軽減する優遇措置も、日々の生活を安定させるための重要な助けとなるでしょう。
精神障害者保健福祉手帳の取得は(周囲に理解ある環境の場合)メリットの方が大きい
精神障害者保健福祉手帳は、精神障害を持つ方々が自立し、社会に参加するための強力なサポートツールです。
就労移行支援事業所の活用や経済的支援、障害者雇用枠での就職など、得られるメリットは非常に大きいです。
また、発達障害などがあっても、最前線の技術を学び、自身の特性を活かしてAIやデータサイエンスが学べる就労移行支援【Neuro Dive】もあります。
このプログラムでは、個々の能力や可能性を最大限に引き出す支援が受けられ、専門的なスキルを習得することで新たなキャリアの扉を開けます。また、同じ志を持つ仲間と切磋琢磨する環境が整っており、自信と実績を積み上げることが可能です。
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