副業の選択肢として取り上げられるネットワークビジネス
副業解禁の流れに乗り、ひと昔前ほどではないですが、世間では「ネットワークビジネス(MLM:マルチレベルマーケティング)」がしばしば話題に上がります。
副収入を得る手段のひとつとして紹介されることも多く、セミナーや勧誘の場で「夢がかなう」「経済的自由が手に入る」といった甘い言葉が飛び交います。
しかし、現実はそう甘くありません。
ネットワークビジネスだけで安定収入を得ている人はごくわずか。
多くの人が、資金を失い、友人を失い、自尊心すら傷つける結果になっています。
なぜ、ネットワークビジネスはこれほど失敗者を量産するのでしょうか?
ネットワークビジネスが失敗する典型パターン
1. 商品力や販路が主催会社に依存しすぎている
多くのネットワークビジネスでは、ディストリビューター(販売員)は主催会社の商材だけを扱います。
つまり、自分の商材開発もなければ、販路開拓も主催側頼み。
しかも扱う商品が必ずしも市場ニーズに合っているとは限らず、価格も一般市場より割高なことが珍しくありません。
売る方も買う方も、だんだんと疲弊していくのです。
やっとその商品の販路を築けたと思ったのもつかの間、いきなり主催会社の都合で商品の扱いが停止になったり大幅な商品改変が行われたりすることもザラにあります。
2. 友人・知人への勧誘で人間関係が崩壊する
ネットワークビジネスの多くは「友達を誘って始めよう」と推奨します。
しかし、これが最大の地雷。
友人に勧誘を持ちかけた瞬間、警戒され、距離を置かれることが多いです。
「お金目当てで近づいてきた」と思われ、人間関係がギクシャクし、孤立してしまうケースが後を絶ちません。
結果、精神的にも経済的にも追い詰められてしまうのです。
3. ロイヤリティ(ランニングコスト)が重い
ネットワークビジネスには、ディストリビューター登録料や、月々の購入ノルマ(自己消費)が課せられる場合が多くあります。
- 月1万円以上の商品を買わないと報酬資格が得られない
- セミナー参加費、研修費、交通費がかさむ
「売れない→自腹で購入→さらに赤字」というスパイラルに陥る人が続出しているのが現実です。
成功者たちの共通点:ネットワークビジネスを「掛け算」にしている
では、どうして一部の人たちはネットワークビジネスで成功できているのか?
答えは簡単です。
ネットワークビジネス単体では勝負せず、
自分の既存ビジネスと「掛け算」して、複合的に収益源を作っているからです。
ここでは実際に見聞きしたリアルな例を紹介します。
【例1】人材育成セミナー業 × ネットワークビジネス

ある成功者は、元々、人材育成系のセミナー講師として独立していました。
彼はセミナー受講生たちに対して、あくまで「自己実現の手段」としてネットワークビジネスを紹介しました。
つまり、
「君たちが学んだリーダーシップ力を発揮する場として、こういうビジネスもある」
という位置づけにしたのです。
押し売り感ゼロ。
セミナー自体が収益源になっているので、ネットワークビジネスの成績に過度に依存する必要もありません。
結果、質の高いダウンが自然に集まり、組織も拡大していきました。
【例2】シェアハウス運営 × ネットワークビジネス

別の成功者は、自ら所有する複数の物件をシェアハウス化。
そこに、自分が紹介したダウンメンバーたちを住まわせました。
入居者はネットワークビジネスで成功を目指している仲間たちなので、
互いに切磋琢磨しながらモチベーションを維持できる仕組みです。
一方オーナー側は、ダウンから家賃収入を得て、しかもそのシェアハウス内で使っている生活用品は全てダウン達が購入したネットワークビジネスの商材というとても美味しい状況で、かつ組織力も高められるという一石二鳥のモデルを確立しています。
【例3】オリジナル商品(レシピ本)× ネットワークビジネス

また、ある女性オーナーは、ネットワークビジネスで扱っている健康食品を使ったレシピ本を自作しました。
「この商材を、こんな風に使うと美味しくて続けやすいですよ」という提案を込めたレシピ集です。
これをダウンに販売し、ダウンがさらにそのレシピを使って商品販売を伸ばすという好循環を作り出しました。
本の売上と、ネットワークビジネスの売上、
両方から利益が発生する仕組みになっています。
【番外編】ネットワークビジネス副業赤字で節税を狙う

これは本題から話題がそれるかもしれませんが、意図的にネットワークビジネスで赤字を出し、
本業の会社員の所得税の還付を受け、次年度の住民税を大幅に圧縮させるという「節税戦略」を実践している人もいます。
例えば、生活費や家賃を事業経費として計上し、副業赤字を作る。
それによって本業収入と損益通算して、それをそのまま税務署に確定申告して、税負担を軽くする方法です。
✅ 注意:
これは法律スレスレのグレーゾーンなので、税務署から指摘が入るリスクもあります。自己責任で。
成功する人は、「ネットワークビジネスに依存していない」
ここまで読んでわかる通り、
本当に成功している人たちは、ネットワークビジネス一本に依存していません。
むしろ、
「自分の本業に付加価値をつけるためのツール」
としてネットワークビジネスを位置づけています。
本業ありき。
ネットワークビジネスは副産物。
この立ち位置が圧倒的に重要なようです。
まとめ|ネットワークビジネスは「単体」では成立しない
ネットワークビジネス単体で成功できると思った時点で、負け戦です。
ネットワークビジネス自体を著者はオススメしませんが、
もしどうしてもネットワークビジネスに本気で取り組みたいなら、
- 自分自身のビジネスモデルを持つこと
- そのビジネスにネットワークビジネスを組み込むこと
- 友人・家族に頼らない導線設計をすること
これが最低条件です。
夢物語ではなく、現実を見据えた戦略を持って、複合収益を作っていきましょう。