【墓じまい】費用と手続き&新しい供養の形 完全解説

ライププランABC編集部

少子高齢化に歯止めがかからない昨今。次のようなお悩みをされている方も少なくないのではないでしょうか。

Aさん:69歳
Aさん:69歳

うちの息子、『俺は生涯独身を貫く!』って言ってもう結婚する気ないみたいなんだ…
家の近くに先祖代々のお墓があるんだけど、このお墓どうしよう……

Bさん:67歳
Bさん:67歳

私の息子夫婦も、結婚したはいいけれど子どもに恵まれる事はなくって(デリケートな問題よね)今後私たちが死んでしまった後、私達夫婦が管理している先祖代々のお墓どうしよう……
息子夫婦には負担はかけたくないものね……

上記のように、お墓を継ぐ人がいないので墓じまいを考えているという方も多いのではないでしょうか。
ここでは墓じまいの費用と手続き新しい供養の形を紹介していきたいと思います。

墓じまいを考えるべきタイミング

いろいろ考えていると、年末年始で東京から帰省してきた娘が珍しく私たちにこんな話をしてきました。

最近は、昔ながらのお墓を建てたり維持したりするのが難しくなっている人が多いみたいだよ。ライフスタイルの変化とか、少子化で後を継ぐ人がいなかったり、高齢になって体力的に厳しかったりしてね。そういう中で、供養の形もいろいろと変わってきていて、今ではもっと気軽にできる方法もあるんだって。

たとえば、「みんなの海洋散骨」っていう供養や遺骨の専門家がいるんだけど、生前からお墓以外の選択肢を考えてる人の相談に乗ってくれるみたいだよ。もちろん、ちょっと抵抗があるって思う人もいるかもしれないけど、ちゃんと話を聞いてくれて、それぞれの希望に合った提案をしてくれるらしいから安心なんだって。

継承者がいない

Aさん:69歳
Aさん:69歳

うちの長男『俺は生涯独身を貫く!』って言ってもう結婚する気ないみたいなんだ。
次男は結婚してるけど東京にいて帰ってくる気なんてさらさらなさそう…
こちとら九州だからお墓任すにも毎年次男夫婦の負担になるのも気が重いんだよな…

  • 少子化や未婚率の上昇
    家族構成が変化し、後継者がいない場合が増えています。
    特に、子供がいない夫婦や未婚のまま親が亡くなるケースが典型です。
  • 遠方に住む親族
    都市部に移住した子供や親族が多く、故郷のお墓を管理するのが難しい状況。

高齢化による体力・経済的負担

私達家族は関東で生活しています。子どもたちも関東で生まれ育ちました。
実家とお墓が山形にあるんだけど、実家に住んでいた両親も亡くなって、本当にお墓と実家だけになってしまいました…思い出のいっぱい詰まった実家とお墓だから、毎年訪問しているけど、そろそろ私たちも体力の限界。毎年の事で頻繁ではないからいいけれど、帰省の度に少なくない費用だってかかる。正直、墓じまいを考えている…

  • 墓参りや維持管理が困難
    高齢者が増える中、遠方の墓参りや掃除を行う体力が限界になるケースが多いです。
  • 管理費の負担
    墓地の年間管理費や修繕費が経済的に負担になる場合。特に年金生活では固定費が厳しいことがあります。
  • 都市部への移住
    仕事や教育の関係で都市部に拠点を移し、地方の墓地が遠く感じる状況。

ライフスタイルの変化

Cさん40歳
Cさん40歳

両親は敬虔なクリスチャンなんだけど、正直同じお墓には入りたくない…!
私は全くの無宗教なので、樹木葬か海洋散骨にしてほしい!

  • 宗教観や価値観の変化
    従来の「家族墓」ではなく、樹木葬や海洋散骨など新しい供養方法を選ぶ人が増加しています。
    「永代供養」が人気なのも、手間を軽減したいニーズに応えた結果です。

墓じまいとは?

墓じまいは、先祖のお墓を撤去したり、新しい場所に移したりする手続きのことを指します。
少子高齢化や核家族化が進む中で、後継者がいない場合やお墓を維持するのが難しい場合に増えています。

以下は墓じまいの基本的な流れとポイントです。

墓じまいの流れ

① 家族で話し合い

墓じまいは先祖供養に関わるため、家族や親族と十分な話し合いが必要です。

遺族間での合意は重要!
親族間でのトラブルを防ぐため、同意をしっかり取りましょう。
一度ゆっくりと話をする機会を設け、親族それぞれの想いに寄り添えると良いですね。

② 檀家寺や墓地管理者に相談

寺院や墓地の管理者に墓じまいの意向を伝え、必要な手続きや供養について確認します。

僧侶への相談
檀家(特定のお寺に所属し、葬祭や供養などを専属で営んでもらう代わりにそのお寺を経済的に支援する家のこと)である場合、突然の墓じまいはトラブルになることもあります。
事前に事情を話して理解をしてもらうようにしましょう。

③ 改葬許可申請

改葬(お墓を移すこと)を行う場合、市区町村で「改葬許可証」を申請します。

  • 必要書類:改葬許可申請書、現在のお墓の管理者の承諾書、新しい埋葬先の受け入れ証明書が必要。
  1. 改葬許可証交付申請書を入手し、必要事項を記入する
  2. 埋葬元の墓地管理者証明欄に証明をもらう
  3. 改葬先の使用許可証を入手する
  4. 遺骨が埋葬されている市区町村の役所に必要書類を提出し、改葬許可証の交付を受ける

改葬許可申請費:数百円(行政手数料)

法律的な手続き
改葬許可証がなければ遺骨を移動できません。

④ 閉眼供養

お墓の魂を抜くための供養(閉眼供養)を僧侶に依頼します。

閉眼供養費:1万~5万円程度(地域や僧侶による)

⑤ 石材店による墓石の撤去

墓石の撤去作業は専門の石材店に依頼します。

墓石撤去費:10万~50万円(墓石の大きさや立地条件で変動)

⑥ 遺骨の移転

新しい納骨先や供養方法に従い、遺骨を移します。
改葬先の管理者に改葬許可証を提出し、新しい埋葬を完了させます。

新しい埋葬費用:数万円~(納骨堂や樹木葬などのタイプによる)

新しい供養の形

海洋散骨

樹木葬